お知らせ
- わくわくキャリコン図鑑
- 2024.10.11
【わくわくキャリコン図鑑】第六回 野村さん
野村さん
第六回目のわくわくキャリコン図鑑は野村(のむら)さんです。
高校・大学での講師、保護者向けのセミナーで活躍されている野村さん。その笑顔と話し方は、聴く人の心を瞬時に掴む力があります。野村さんが大切にしていることは、「おもてなし」。そう思うようになったきっかけや、大切な人や仕事との出会いのお話から、キャリアコンサルタントとしての現在のお仕事、今後のなりたい姿などを伺いました。
全ての原点は、接客販売という仕事から
学生時代、初めてのアルバイトは、和菓子の接客販売でした。この時の経験こそが、今の私の仕事軸、「おもてなし」精神の原点となります。
「働くって楽しい!」を、教えてくれた出会い
そのお店は大きな駅の中にあり、毎日行列ができて、お客様はいつも急いでいる…時には怒鳴られることもありました。アルバイトの中でも、正直、私は決して飲み込みの早い方ではありませんでした。「いらっしゃいませ」と普通に言うことからまず苦戦。そして、閉店後のレジ締めでは計算がなかなか合わないなど、とにかく覚えが悪い!
しかし、そんな私を見ても、「この子はいつか出来るようになる」と守り続けてくれたのが、当時の店長でした。家族でもない大人に無条件で信じてもらえるという経験は、私にとって衝撃的であると同時に、「なんだかわからないけど、きっとできる!」という自信を持つきっかけになったように思います。次第に、アルバイトの時間が自分に価値を見出す大切な時間になりました。そして、私を信じ続けてくれた店長にいつか恩返しがしたい、そんな思いでアルバイトを4年間続け、ゆくゆくは販売記録を打ち出すまでに成長することができました。
店長が教えてくれた仕事の楽しみは他にもあります。それは、「お客様にプラスアルファの喜びを感じてもらう」ことです。お金を払って購入したお菓子が美味しかった、という満足は、お客様にとって想定どおりで、いわば当たり前のこと。そこにプラスアルファの喜びがあると、お客様はまた買いに来てくださるようになります。「あんたがいたから今日は買いに来たよ」、この言葉の喜びを知り、ますます接客販売という仕事にのめり込みます。
「プラスアルファの喜び」。この考えは今も私の根底にあり、関わった人には何かしらの喜びや幸せを感じてもらいたい、という想いを常に持って仕事に向き合っています。
また、その和菓子店はチームワークがとても良く、製造・販売それぞれのスタッフがお互い仕事をしやすいように行動することが根付いていました。毎日目がまわるように忙しく、雑談はもちろん、細かい流れの打ち合わせをする暇もありません。ただ黙々と仕事をこなす中ですが、皆が自然に相手を思いやる行動をしていました。それが当たり前だったので、この初めての「働く」経験がいかに有難いものであったのかは、後に他の職場を経験してから気づくことになります。 このような初めてのアルバイトでの経験や出会いがあったからこそ、働くことの楽しさを伝えられる大人になれたのだと思います。
人に対する想い
店長が私を信じ続け、仕事人として育ててくれたことは、私自身の仕事のモチベーションのきっかけとなっただけでなく、私の「人」に対する考え方にも影響をもたらしました。それは、本当の意味で「出来ない人」というのはいない、ということです。その人に合わないことや出来ないことを求められたために、出来ない人とみなされてしまうことはあるけれど、誰にでもそれぞれ出来ることがあるはずです。可能性を信じて待ち続けることで、人は強みを生かして成長できる、私は人とそういう向き合い方をしたいと思いました。この想いは、その後、私が人材育成に興味を持ち、今のキャリアコンサルタントという仕事をしていることに繋がっています。
私のプラスアルファは、「おもてなし」
社会に出た私は、「個人の可能性を信じる社会」への想いから、人材育成や採用等の人事の仕事に多く携わりました。キャリアコンサルタントの資格は、人に関するプロになるための知識として、人事に役立てばと思い取得しました。(その時はまさか、後にこれがメインの仕事になるとは思っていませんでした。)
当時は新卒採用を担当しており、学生たちの期待に満ち溢れた笑顔に直接触れることで、私の「人」への想いは熱を増していきます。自分を信じて入社してくれた学生たちを大切にしたい、守りたい、その想いで人事業に取り組んでいました。しかし私が「会社のために」と意気込んでも、会社の求める理想や現実と合わないこともしばしばあり、次第に会社という枠の中では限界を感じ始めていました。
人の可能性を引き出したい、この人にとって何が最適なのか、その後押しとなるために自分には何ができるのか。考えてたどり着いた答えが、「個人に合わせた育成と、その人ならではのキャリアを支えていくこと」。規定や規則に沿った研修ではなく、ひとりひとりと丁寧に向き合う、これこそが、私の人に対するプラスアルファであり、その根底となる姿勢が「おもてなし」の心なのだと気づきました。
そんな仕事を本業にしたいと強く思い始めた頃、キャリアラボに出会いました。
そして今
現在はキャリア講師として、高校や大学でのキャリアの授業や面談、また保護者向けのセミナー等も担当しています。
学生の皆さんには、まずは自分の未来を楽しんでもらいたい、と思って日々接しています。授業に慣れない頃はとにかく準備に時間がかかり、「もう自分じゃだめかも」「こんな私にできるのだろうか」と自信をなくすこともありました。しかしそんな時、ある講義でひとりの学生から「先生の説明、めっちゃわかりやすかったから、違う授業も受けたい!」という言葉が…!その瞬間、「もうこの子たちが喜ぶためにはやるしかない!」と急に気持ちも体も軽くなり、肩の力が抜けました。
私のキャリアコンサルタントとしての本当の意味でのスタートは、この日から始まりました。
今後どうなりたいか
今関わっている学生が、5年後、10年後に「先生!私、今ハッピーやで!」と言ってくれたらいいなというのが理想です。
授業は連続して行うものだけでなく、一度だけの出会いもあります。どちらの場合でも、私の授業やその中の言葉が学生の心に残り、いつかふと思い出してくれるといいなと思いながら、いつも話しています。心に残った一言がその人のキャリアの一助となり続いていくこと、そしてその道のどこかで私に知らせてくれることがあれば、こんなに嬉しいことはありません。
これからも、「おもてなし」の心でキャリア支援を続け、また会いたいと思ってもらえるように成長していきたいです。
- 投稿者ayaka
- カテゴリーわくわくキャリコン図鑑
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